白石商店の想い

父と母のうしろ姿を見ながら

現金封筒と一緒に送られてくる注文の明太子を、連日夜遅くまで作っている両親のうしろ姿を見ながら、「俺が継がないと、明太子を届けられなくなるんだろうな。」と、大学の頃、時折仕事を手伝いながらぼんやりと将来を想像していました。

大学では家業とは違う工学部で学んでいましたが、幼少時から店に来ては親や従業員が忙しく働く横でよく遊んでた時からも、自然と親の働く姿を見ていたのかもしれません。

家業を継いでみると

一度は一般企業に勤めて社会人になったある年、父の突然の病に家業を継ぐ決心をし、白石商店へ就職したのが24歳のときでした。

「美味しかったよ。」と、お客様に喜んでもらおうと始めた仕事でしたが、その頃は、注文をもらった一般食品を車で沢山の小売店へ配達して回る卸業が就業のほとんどの時間を占めていて、価格と条件を問われる卸業の仕事内容に、想いとのギャップを感じていました。

『嬉しいお客様の声』

喜ばれる商いをしたい

「お客様に喜ばれる仕事がしたい」 長年卸業を続けてきた父に相談し、1997年に店舗を改装。個人のお客様を主とした商いに変更させてもらったのと同時に、それまで扱っていた一般食料品をやめ、その代わりに海産物の種類を増やしていきました。

どこででも販売していて、値段を比べられる一般食品ではなく 海産物を。
干物やその他の海産物は、獲れる時期、地域、大きさ、鮮度、品質の違いで同じ品名のものでも味に違いがでてきます。また、お客様にお渡しするまでの品質管理で、さらに違いが生まれます。

新鮮な刺身をいつでも食べられる海峡の町、門司港。先代からひいきにしていただいている口の肥えたお客様に喜んでもらえる『上質の海産物をお届けする』こと。そして、先代から作り続けいている『国産明太子のこだわりを変えない」こと。それが三代目として暖簾とともに譲り受けた『想い』だと思っています。

時代が変わり

今では多くの方が利用している流通大手が全国に同じような店舗を作り、買いやすい価格帯の”売れる”商品を中心に揃えていて、特に、海産物を食べる喜びは後回しにされているようにも思えてきます。

昔から家の近くにあった、会話をしながら買い物が出来る市場や海産物の専門店が次々となくなっている時代。

子供達はお肉中心で濃い味付けの食事をとる機会が増え、魚嫌いの子が増えていると聞きますが、小さい頃に本当においしい海産物を食べていれば、大人になってまた、あの美味しい干物を食べたいなと思うはずだと考えています。

海産物を好きになってもらう為に

「美味しいね」 「贈った人に喜ばれたよ、ありがとう」

海産物本来の美味しさを、お届けし続けたい。そして海産物を好きになって欲しいと毎日思い、自分に出来る商いを続けています。

そして、この門司港で商いを続けることが門司港の元気の一つになれればと願っています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。このHPをご覧になりご縁をいただき、白石商店が選んだ海産物を気に入ってもらえれば嬉しいです。美味しい海産物をいつでもお届けしたいと思っていますので、これからも「門司港の白石商店」をどうぞよろしくお願いいたします。

三代目 白石洋一